2010年6月7日月曜日
スタジオジブリ・レイアウト展
松坂屋美術館で開催中のスタジオジブリレイアウト展へ行ってきました。
ジブリ大好きな私はどのシーンを見ても大興奮!
セリフを言いたくて仕方がなかった。
館内はとてもなごやかな雰囲気。
「あ、このシーンさ・・」と語りあう女の子グループがいる一方で
「一瞬しか写らないのに、こんなにいっぱい描くんだねぇ・・」と
映像とレイアウトを何度も見比べる親子。
それぞれが、それぞれの見方で楽しんでいた。
レイアウトシステムというのは、一枚の紙に、
背景とキャラクターの位置関係、動きの指示、
カメラワークの有無やそのスピード、撮影処理など、
そのカットで表現される全てが描かれた映画の設計図とも言えるもの。
実はこの工程は、1974年に「アルプスの少女ハイジ」で
高畑・宮崎監督が初めて本格的に導入したシステムだと言われている。
その「アルプスの少女ハイジ」のレイアウトもあったのだけど、
これはとてもシンプル なものだった。メモ書きに近い感じ。
その後に並ぶそれから34年後に書かれた
「崖の上のポニョ」と比べるともう歴然。
ポニョの方はここまで描くかと思うほどの細やかさに驚く。
レイアウトと言えど、もうこれだけで充分なアート。
塗り重ねられた色鉛筆の色がとてもやさしくて、絵本みたいだった。
レイアウトは所々に他の担当者に向けたメッセージも書かれていた。
「雄大に!!」とか、「美術さんへ・・」とか。
たくさんの会話がそこにはあった。そして愛情も。
見れば見るほど、キャラクターと背景がくっきりと分かれて、
セットの中にいる俳優さんが浮かびあがってくるようだった。
こうやって命を吹き込んでもらってるんだ・・、そう思った。
途中、宮崎駿監督のインタビュー映像が出ていた。
「レンズは使うけど、レンズで見た目はダメ」。
「人間の目は気になるものは大きく見える。
気にならないものはどこかへ忘れてしまう。
それを表現することで、自分たちの
見覚えのある世界ができあがる」のだという言葉が忘れられない。
このこだわり 。
見ていると、映画を一本作るというのは
何て気の遠くなる作業なのだろう、と
一枚一枚手で描かれたレイアウトを前に、感動せずにはいられない。
また一つジブリが好きになる。
今、これを書いている後ろでは、
「耳をすませば」のビデオが流れています・・。
「やなやつ、やなやつ、やなやつ・・」
よく真似してたなぁ。
今週末13日(日)までなので、
まだ見てなかったって方はお急ぎくださーい♪