2010年12月27日月曜日

牛の角工房@ルワンダ


エチオピアの滞在を終え、次に向かった先はルワンダ。
ここではまず牛の角の工房を見学。
番組でもインタビューさせてもらった愛知県出身の
元青年海外協力隊員の加藤悦子さんが作った工房だ。
 
彼女は元々、ストリートチルドレンのためのカウンセリング技術を
教えるために赴任していたのだけど、仕事をするうちに、
せっかくカウンセリングしたストリートチルドレンたちが
学校に行くようになってもまたリタイヤして
ストリートに戻っている現実に直面した。
 
なぜか?
それは自分が働かないと家族が生きていけないから。
貧しいが故に子どもたちは路上へ戻ってしまうのだ。
 

そこで、根本の問題を解決しようと思い発った。
 
ストリートチルドレンになってしまう原因はいくつかある。
1、お金がなくて出てくる
2、両親の問題(酒や薬など)
3、育児放棄
4、宗教の問題 などなど・・
 
その中でも1が原因の子どもたちを学校へ行かせてあげたい。
そのためには家族が仕事を持ち、お金を稼げる状態にならないと。
 
目についたのは牛の角を開いて製品を作る職業訓練校のはなし。
年長になってくると、悪いことを教えるからと学校側が嫌がるため
学校に行けなくなっていた18~25歳くらいが通っていた。
 

でも、1年経ち、いざ就職という時になっても、
彼らは道具がなくて仕事につけなかったり、
初期投資(工房など)ができなかったりで、
大人でも仕事ができないというのが現状だった。
 
せっかく独自の技術を持っているのに!
宝の持ち腐れのままストリートに帰ってしまう・・。
 
そこで牛の角を使って製品を作るこの工房を始めた。
 

最初は大変だった。
信じていた同僚にとんずらされたり、お金を持ち逃げされたり。
それでも彼女は諦めなかった。
負けなかった。
 
そうして、今ではその製品が日本ではHASUNAや 
ウィルあいちでも買えるようにまでなった。
 

そんな工房を今回見学。
日本から持ってきたHASUNAのカタログを見せると
自分たちの作った製品に彼らは目を輝かせ
とても誇らしそうだった。
 
フェアトレードの良さを実感した瞬間でもあった。
援助という上からの関係ではなく、
フェアという対等の関係だからこそ生まれる
責任や誇り。それこそが人を輝かせるような気がする。
 

とても感銘を受けたのは、
もう悦子さんが帰国されて何年も経つのに、
きちんと工房のシステムが保たれている上に、
自分たちでお金を貯めて給食をするなど、
そのシステムがアップグレードされていたこと。
 
日本では当たり前のように思えるかもしれないけれど、
これができるって実はすごいことなんです。
 

ルワンダにはたくさん家畜がいるので、
牛が死んだ後には角の廃棄物がたくさん出る。
それを利用しているというのもある意味エコ。
 
ここでは今、ピアスやネックレスといったジュエリーに加え、
エッグ型の置物やコーヒースプーンが作られている。
 

チェックも念入り。
こんな風にして一つひとつの製品には愛情がこもってる。
 


 

 
空き缶でダンベルを作っていた。
あるもので、自分たちで楽しみが作れる。
こういうところが素敵だといつも思う。
  

工房の前では女性たちがアガセチェというバスケットを作っていた。
本来はもっと大きいサイズだけど、これはおみやげ用。
ルワンダの女性は、結婚が決まるとお母さんから教わった技法で
このバスケットを編んで、嫁ぎ先に持っていくのだそう。
 
そんな幸せの意味がこもったアガセチェは
今日本でも結婚式の引き出物としてプレゼントするカップルも
増えてきているのだとか。
 
興味ある方Ruise B(そういえば、先日新聞にも載ってましたね!)
というお店で扱っているので(ココの工房のではないですが)ぜひ☆
 

こんな陽気な女性が作るアガセチェ・・
幸せと一緒にSMILEも届きそうです。
 

こんな小さなbabyをひざに乗せて作業するママも。
こっちはママもbabyも強いなぁ!と思う。
 

わたしも挑戦・・難しかった!
 

その頃、さとみさんは隣で折り紙をみんなに教えた。
みんな興味深々。
 
加藤悦子さんがここに残したものは大きかった。
協力隊員として派遣された時はここまでのものが
作り上げられるなんて本人ですら、想像できなかっただろう。
 
だけど、彼女が本当に現地の人のことを考えて
必要なことを見極めて、そして決して諦めなかったことは、
こんなにもたくさんの笑顔をここに生み出した。
 
なんて尊いことなんだろう。
  

わたしたちは、それを買うこと、プレゼントすること、人に話すことで
この輪をどんどん広げていけたら良いな、と思う。
 

夕方になり、お日さまがオレンジになると帰る時間。
素敵な時間をありがとう!
また遊びににきます。
 

首都キガリの夕方は仕事帰りの人が明るい顔で歩いていた。
まだ一日目、だけどもうわたしはこの国が大好きになっていた。