2010年9月4日土曜日

ベレテ・ゲラ森林プロジェクト


ようやくジンマに到着。
ここではこじんまりとしたかわいいホテルに滞在。
 
荷物を置いて、
 

JICAのオフィスへ。
 

ここのオフィスもお庭があって何だかステキです。
 

まずは明日見に行くプロジェクトの予習。
 

西村専門家の熱意に心を打たれます。
 
このプロジェクトざっと説明しますと・・
写真に撮ると自然豊かに見えるようなエチオピアですが、
実は国土の3%しか自然林が残っていないという危機的状況にあります。
 
そしてこのベレテ・ゲラ地域でも
無許可でやってきた北部からの侵入者の違法な森林伐採や
人口増加に伴って地元住民が農地を広げたことによって、
どんどん森が無くなっているという状況下にあったのです。
 
農地にして最初の1~2年はいいけれど、
木がないため表土はどんどん流出してしまい数年経つと
また作物は獲れなくなってしまいます。
そうすると、その土地は放って次また伐採して新しい農地を作る。
前の土地は荒れ地になる。そうやってどんどん荒れ地だけが
残ってしまう構図ができあがってしまっていました。
 
これは何とかしよう!ということでエチオピアから要請があり
JICAと地元の森林公社による森林プロジェクトがスタートしたのです。
 

でも「森林伐採をやめて」とただ言うだけでは地元住民も
「こっちだって生活しなくちゃいけないんだ!」と納得がいかない。
そこで、目をつけたのが、
この自然林に自生していた「コーヒーの木」でした。
  

プロジェクトはこのコーヒーで
国際フェアトレードの「Rainforest Alliance」の認証を取得。
 
・このコーヒーは環境と生態系を
 ちゃんと保護したままできたコーヒーですよ。 
・ちゃんと地元の労働者の権利も守っていますよ。
 
という認証です。
これによって、市場価格に対して25%値段が高く設定され、
その分の売り上げで地元住民たちはより良い生活を送ることができます。
 
つまり!!
「森を守った方が生活が良くなる」という構図を作り上げたのです。
 
そしてもう一つこのプロジェクトは森林の管理や利用方法を
これまで住民たちがやってきた手法を使ったというのも大きなポイントでした。
これによって、JICAのプロジェクトが終わっても住民たちは
自分たちで持続することができます。
 

また、地元の女性たちにも労働機会を提供。
収穫されたコーヒーの豆は地元の女性たちの手によって
手焙煎され商品化されます。
 

そして、同時にプロジェクトは農民の学校も開校しました。
それまで住民は種を撒いたらそのまま放ったらかしというのが
多かった中、どうやったら生産性を向上させることができるのか。
そういったことを、週に一回集まって学び合う学校です。
 
識字率2%だった村で教えるには、絵を描いたり、
教科書も一から作ったり、と0からのスタート。
でも、今では前年の卒業生が次の年に先生を務めるなど、
住民たちで学校を持続できるようになってきているのです。
 
このプロジェクトの素晴らしいところは
新しいものを持ってきたり、やってもらったりするのではなく、
もともとあったコーヒーや、もともとあった地元の管理方法
そしてコミュニティの伝統社会システムを使って、
持続可能なものを住民と一緒に作り上げているところ!
 
この現場を明日は見に行きます。
 

さぁ、夜はまたまたインジェラ。
 

今回は豆や野菜など、いろんなソースも乗ったゴージャス版です。
 

そしてこちらはドロワットという鶏肉のシチュー。
味はちょっと辛め。
 

そして次の日の朝はみんなでドーナツやマキアート(これも有名!)、
 

それにスプリス(紅茶+コーヒー)を食し、出発です。
ここでのスプリスはシナモンやスパイスが効いてておいしかった!