2009年8月9日日曜日

奈良 ~東大寺~


お腹がふくれたら、今度は東大寺へ。
 
シカたちがナンパ待ち・・ならぬ、シカせんべい待ち。
 

 

 
南大門。
小学校の修学旅行で来たときは
一瞬で通り過ぎてたような気がするけど、
大人になった今、あまりの感動にしばらく動けなかった。
 
こんなに大きかったっけ、南大門って。
規模が違う!
 
金剛力士像は少し離れると絵みたい。
 

その足の形の忠実さ。
 
横で見ていた小さな女の子が一言。
「動きそう・・」
 

 

 

 

いよいよ大仏殿。
これもあまりの大きさに息をのむ。
 

これを人間が作ったなんてとても信じられない。
 
当時、天然痘の流行や飢饉などが重なって
聖武天皇はそれを仏教の力で何とかしようと
国ごとに国分寺を建てることを奨励し、総本山として東大寺を建てた。
  
 
ただ真剣に民のことを思って選んだチョイスだったのだと思う。
 
一方で、建立に駆り出された民たちは、
それよりももっと直接的に自分たちを助けてくれと願う者も、
この世がこれでもっと良くなるのであれば、と思った者もいただろう。
 
いろんな心模様があった。
だけど、後の世に充満するような「私利」「私欲」は
あまりなかったような気がした。
 

後ろから見た大仏さまは、こんな感じ。
建物全体で大仏さまを支えているんだぁ。
 

 

 

 

 

 

 
 
奈良はなんだかいろんなものがそぎ落とされてシンプルなような気がした。
逆を言えば、時間を経るごとに人々はいろんなものを
上にくっつけてきたのかもしれない。 
 
入ってきたばかりの仏教の姿がそこにはあったし、
建物の裏に込められた願いもとてもシンプルなものだった。
 
例えば、この後に行った興福寺は大化の改新の成功を願って
中臣鎌足が造立した釈迦三尊像を安置するために建てたお寺を
平城京の遷都の際に左京に移したものだったり。
 
自分の権力を誇示するためのもの以外のものが多かった。
 

吉野葛のあんみつを食べながら
そんな風に歴史に想いを馳せるのでした。
 

帰りの電車に乗る前、空はこれ以上ないほどに
鮮やかなオレンジ色を見せてくれた。
 

 

 

海みたい。
 
いろんなものが入り混じる。
 
この空はきっといろんなものを見てきたんだ。
それこそ大仏建立の様子から
今ここでシャッターを切るわたしの日焼けした顔まで。 
 
全てを含んで今この色を出していることの意味を
疲れた頭でなんとなくぼーっと考える。
 

柿の葉ずしを食べた後は、もう夢の中。
 
何か夢を見た気はするけど
何の夢だったのか全く思い出せない。
 
寝ぼけ眼で名古屋へ降りた時は11時半になっていました。
そしてまた、いつも通りの夏の夜。