2010年3月7日日曜日
ミュージカル レベッカ
演出:山田和也
出演:大塚ちひろ、山口祐一郎
シルビア・グラブ(Wキャスト)、涼風真世(Wキャスト)
ヴァン・ホッパー夫人の付き添いで訪れたモンテカルロのホテルで
マキシム・ド・ウィンターに出逢った「わたし」は、
その出逢いをきっかけに彼と結婚し、
マキシムの大邸宅マンダレに移り住むことになる。
しかし、世間での評判もよかった亡き前妻レベッカに
幼いころから仕えていたダンヴァース夫人はなかなか
「わたし」を妻として認めてくれない。
そんな中、レベッカにまつわる疑惑が持ち上がり・・。
レベッカというタイトルにも関わらず、
レベッカという女性は一度も出てこない。
キャストの会話からどんどんレベッカという人物像が象られていき、
観客はそれぞれの心の中にできあがったレベッカ像を
持ち帰るという仕組み。
だから、100人いれば100通りのレベッカの顔やスタイル、表情が存在する。
想像力というのは最大のキャストなのかもしれない。
演出も見事!場面転換も早いので、全然飽きないし目が離せなかった。
舞台の中で何度も出てくるカトレア。
これは最初モノクロなのだが、2幕に入ってから色みを帯びていく。
カトレアに限らず、舞台全体の色も2幕に入って徐々に鮮やかになっていく。
これは、主人公「わたし」心模様に合わせて
変化していくように作ったのだとか。
マンダレに移り住んできてすぐの頃の「わたし」の不安感を現わすように
最初は他の人たちの服の色もみんなモノトーンだったのが、
あることをきっかけに「わたし」自身が変わってきてから、
部屋の色みや、キャストの服も明るくなっていく。
こういう細かいところもまた見どころ!
そして、シルビアさんと涼風さんの
Wキャストというのもまた注目したいところ!
今日はシルビアさんだったのだけど、歌声も演技もすごい迫力。
お辞儀一つにしても震えました。
姿勢も寸分違わず、指先までダンヴァース夫人の性格がにじみ出た演技。
表情のない役で、家では旦那さま(高嶋政宏さん)に
「ねぇ、怒ってるの?」とよく言われてしまったという。
なかなか怖い夫人の役なんですが、
涼風さんとシルビアさん、怖いの種類がまた違うらしく、
涼風さんバージョンも見て違いを楽しみたいと思うところです。
中日劇場で3月31日までやっているのでぜひ!