2010年3月27日土曜日

まずは聞くことから


大親友が泊まりに来た。
このところお互い忙しかったので会うのも久しぶり。
 
仕事の話になり、途中で涙がこぼれた。
 
彼女は学校の先生をしているのだけど
「宿題何でやってこなかったの!」とか
「そうじしなさい」なんていきなり怒ることは決してしないのだそう。
 
子どもによっては家庭環境のせいで
宿題どころじゃない子がいる。
そうじする気になれない子がいる。
 
宿題はやらなくちゃいけないことなんて子どもだってわかってる。
でもできないのだ。
自分もそんな家庭で育った彼女はその気持ちが痛いほどわかる、と。
 
「わたしは昔、学校にいる時も
『家に帰ってお母さんがお父さんに殺されてたらどうしよう』 
って思ってた。そんな子どもがそうじなんてできるはずがないんだよ。」
と彼女は言った。
 
「そういう時はね、『どうした?何かあった?』って言ってあげるんだ。
何があったのか、先に必ず聞いてあげる。」
 
その上で
「本当に辛い状況だと思う。わかるよ。
 でもね、あなたは今みんなより少しだけ強くならなくちゃいけないの。
 音読だったら一人でできる?お母さんに話せそう?
 だめだったら先生が聞いてあげるから。」
 
それからその子は毎日音読してくるようになったらしい。
 
順序というのはとても大切。
まずは聞くこと。
 
「何か子どもがやった時にもね、
 『あなたがやったの?怒らないから正直に言ってみて。
 やってないって言うんだったら先生はそれを信用する』
 って言ってあげる。」
 
「怒らないから言ってみなさい」という言葉は強く、
子どもは正直に答える。でもその時、決して怒らない。
 
「子ども自身がやったと認めることこそが大切なんだ。
 認められないことはきっとまた繰り返す。」
 
彼女が先生という職についてくれて本当によかったと思った。
彼女に助けられている子どもたちはとても多いだろう。
一方で家庭でもこれくらい親がちゃんと向き合えるといいのに、
とも思った。
 
愛を持って仕事に向かう人が身近にいると
いい刺激になる。
ありがとう。