2010年4月26日月曜日
パスキンとパリを愛した画家たち
小牧のメナード美術館で先週末から始まった
「パスキンとパリを愛した画家たち」観てきました!
ピカソやモディリアーニといった有名な画家たちが活躍した
1910~1930年代のアートシーンをたっぷり味わえるようになっていた。
三部構成になってて、
画家「パスキン」にフォーカスした一部に始まり、
二部は1910~1930年代のパリで活躍した画家たちの作品。
そして三部は同じ時代にパリへ渡った日本人画家たちの作品が並ぶ。
まずは「パスキン」。
これが結構な色男で、若い頃から娼婦に入り浸ったり、
奥さんがいるのに、モデルの女性と恋に落ちたり・・と
フラフラしてて友だちが惚れそうになったら
「あの男だけはやめときなって!」って言いたくなるような男(笑)
なのだけど、そこからは想像もできないようなすごくやさしい絵を描くのだ。
裸婦の絵だって、いやらしさがちっともなくて、
ミニシアター系の映画のような色合いとタッチ。
あぁ、だからこの人はモテたんだろうな、と思う。
全然ギラギラしていなくて、繊細で、女性目線で。
彼の性格がよく表れていたと思う。
パスキンは女性の絵を描くことが多かったのだけど、
26歳の時に描いた絵と、40代で描いた絵は
色使いも女性の目付きも全然違う。
歳をとる毎に彼の絵はどんどんやさしくやわらかくなっていく。
特に40代の絵は目や鼻の筆の動きがあまりに細かくて、
筆の線に見とれてしまうほどだった。
続けて、第二部。
パリに憧れて海外から移住してきた画家たちは、
カフェに集まって話をすることもしばしばあったと言う。
ロシアから来たシャガール。
イタリアから来たモディリアーニ。
日本から来た藤田嗣治にスペインから来たピカソ・・。
この部屋ではそんな画家たちが、
カフェに集まってアート談義を繰り広げているようだった。
芸術家同士はプライベートでの交流はあっても、
美術的な影響はそれほど与え合わなかったそうだけど、
それでも、モディリアーニとスーチンは仲が良かったと聞けば、
「おぉ、この絵を描く二人が・・」と何だかニヤッとしてしまう。
今で言うとツイッターで、芸能人同士の会話を見ているような気分。
そして三部。
誰もがパリに憧れた時代、日本人作家ももちろんそうだった。
語学の壁もあって、なかなかカフェという社交場へは行かず
もくもくとアトリエで制作をする日本人が多かったようだけど。
展示された絵は、完全に西洋風な描き方の人もいれば、
帰国後、何を描けばいいのかわからなくなって、
日本的な渓流を西洋風に描いた人もいた。
1910年~1930年のパリを
見事な流れでじっくりと味わえる展覧会。
6月27日までやっているので、ぜひ!